遠い空の向こうに
【 ストーリー・あらすじ 】
のちにNASAのロケット・エンジニアになったホーマー・ヒッカムの自伝を基に、「ジュマンジ」のジョー・ジョンストン監督がロケットへの夢に賭けた若者たちの挑戦を描いたドラマ。1957年10月、ソ連が人類初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功した。ウエスト・ヴァージニア州の炭坑の町コールウッドで、その美しい軌跡を見ていた青年ホーマー(ジェイク・ギレンホール)は、自らの手でロケットを打ち上げたいと思い、級友3人とともに本格的なロケット作りに取り掛かった。
【 出演 】
ジェイク・ギレンホール, クリス・クーパー, クリス・オーウェン, ローラ・ダン
【 監督 】
ジョー・ジョンストン
【 感想 】
この映画「遠い空の向こうに」を皆さんは鑑賞されたことがありますか?NASAに勤務するホーマー・ヒッカムの青年の頃を描いた実話映画です。そのホーマー・ヒッカムを若き頃のジェイク・ギレンホールが演じています。
原題「October Sky」は原作「Rocket Boys」のアナグラムで構成されているのですが、私の時代には無かったのかそれとも勉強していなかったから覚えていないのか、この原作「Rocket Boys」は中学3年生・高校1年生の英語の教科書に使われているみたいです。
なので、もしかしたら授業で習ってストーリーを知っているという方もいるかもしれません。サクセスストーリーとしての面白さもありますし、ヒューマンドラマとしてもすごくよくできた作品ですので、ぜひ観てみてください。
ロケットを作るぞっ!!
1957年10月、光を放ちながら夜空を横切る人類初の人工衛星「スプートニク」を見ていた青年ホーマー・ヒッカムは、自分もロケットを打ち上げたいと思いロケット作りを始めるのです。
人工衛星を見て宇宙飛行士になりたいと考えるのが普通だと思いますが、まさかロケットを作り始めるとは思いませんでした。ただ、この時代にはまだ有人宇宙飛行が成功していなかったようですので仕方ないのかもしれません。
そのロケットを作ろうと思い立った青年ホーマーを若かりし頃のジェイク・ギレンホールが演じているのですが、若い頃からすごく演技が上手かったんだなぁと感心しました。あと今では鍛えられた肉体を持つジェイクですが、本作ではまだ華奢な体だったので役にピッタリです。
4人でロケット作り
はっきりいってロケットなんて簡単に作れるものではありません。ということで、科学や宇宙オタクな感じでクラスでちょっと浮いている存在のクエンティンを仲間に加え、ロケット作りを始めるのです。
ロケットの知識はおろか、数学や科学の知識もままならないホーマーと友達2人はクエンティンに頼りっきりです。ただホーマーのロケット作りへの思いはほんとに強く、片っ端からロケット作りに必要な本を読み漁るんです。
しかしクエンティンがいるとはいえ、かなり手探り状態での挑戦なので何度も何度も失敗を繰り返します。私ならとっくに諦めているでしょうけど、それほど彼らのロケットに対する思いの強さが大きいんでしょうねっ。
あとロケットを完成させ「全米科学技術コンテスト」に出場して優勝すれば、奨学金がもらえ大学に行くことができるというのも彼らに意欲を沸かせたのだと思います。
炭鉱の現場監督として働く父 ジョン(クリス・クーパー)
町の炭鉱で現場監督として働いているホーマーの父ジョンは、ホーマーたちがロケット作りをしているのをあまり良く思っていません。そんなことをして一体何の意味があるんだ?と、おそらく思っていたからだと思います。
ホーマーが住む町では炭鉱しか働き口がなく、町に居座るということは自動的に炭鉱で働くということになるのです。そんな町が嫌だからこそ、炭鉱で働くことは負けだと思っているからこそ、奨学金を手に入れて違う仕事に就きたいとホーマーは考えています。
しかし、ジョンは炭鉱で働くことに誇りを持っています。この炭鉱に対する考え方の違いだったり、ホーマーには自分の跡を継いでほしいという考えから、ホーマーたちがロケットを作ることに賛成できなかったのだと思います。
ただ完全に否定しているわけでもないんです。炭鉱の作業場を使っていたことを見逃したり、セメントなどのロケット作りに必要な材料を与えたりしていました。立派な炭鉱士になってほしいという期待がある一方で、息子の夢を応援してあげたいという気持ちが伝わってきました。
炭鉱での事故
炭鉱での仕事は常に危険と隣合わせで、事故が起こることは珍しくありません。そして、ホーマーの父ジョンもその被害に合ってしまうのです。
何とか命は助かったものの、大黒柱が倒れてしまったとなると収入が無くなり暮らしていけなくなります。そこでホーマーの兄が働くと言い出すのですが、奨学金を得て大学に行くことが決まっている兄にチャンスを逃してほしくないホーマーは、自分が高校を辞めて働くと言い出すのです。
大学に行かずに働くというのはよく聞く話ですが、この町においては大学に行くというのは凄いことなんですよねっ。ホーマーはそれを理解しているからこそ、兄には大学に行ってほしいと思ったのでしょう。
と同時に「全米科学技術コンテスト」で優勝して奨学金を得るのを目標にしていたホーマーが、高校を辞めて炭鉱で働くということは、夢を諦めて一生この町の炭鉱で働くのを決意したことになります。
ただ、炭鉱で働き始めどんどんと仕事を覚えていくホーマーでしたが、やっぱりロケット作りを諦められなかったんですねっ。仕事の休憩中にロケットに関する勉強をし、仕事を終えると寝る時間を削ってロケットを作り始めます。
全米科学技術コンテスト
ホーマーは町の人たちの応援を受けながら「全米科学技術コンテスト」に出場するために出発します。しかし、ある装置が無くなるというハプニングが起きてしまうんです。
道具も材料もないこの場所ではどうしようもありません。そこで町に電話して作ってもらうことにしたんが、炭鉱士たちのストライキが終わらなければ作ることはできません。そこで母のお願いもあり、立ち上がったのが父親だったんですねっ。
その甲斐もあって見事優勝します。小さな町の青年たちの夢が叶った瞬間だと思います。これでホーマーたちは奨学金で大学に行くことができるようになったので嬉しかったです。
ヒーロー
優勝して凱旋帰国したホーマーたちは町の人たちに大歓迎を受け大喜びです。そして、その場にいなかった父のジョンにも金メダルを見せに行くのですが、このシーンはとても良かったです。
「父さんとは、見解がことごとく一致しない」
「でも、僕もひとかどの人物になれるはずだ」
「父さんと異なるからじゃない、同じだからだ」
「同じくらい、分からず屋で強情だ」
「同じくらい、良い人間になりたい」
「確かにブラウン博士は偉大だが、僕のヒーローは彼じゃない」
すごくジーンとくるセリフでした。ずっと尊敬していたブラウン博士ではなく、父こそがヒーローなんですねっ。おそらく炭鉱で一度働いたことで炭鉱に対して、そして父に対しての考え方が変わったのだと思います。
あとやっぱり父親ジョンを演じたクリス・クーパーが良かったですねっ。口数少ない役でしたが、表情や目で厳格さなどが上手く表現されていたと思います。クリス・クーパーは間違いなく本作の助演男優賞ですねっ。
最後のロケット打ち上げ
祝勝会みたいなものだと思いますが、ロケット打ち上げの会場には町の人々がたくさん駆けつけます。そして、父親のジョンが初めて打ち上げを見に来たんですねっ。照れくさそうなジョンの表情がとても印象的でした。
そしてロケットの名前に「ミス・ライリー」と付けられてたのも良かったです。これはホーマーの担任の女性教師の名前ですが、彼女の協力なしでは夢の実現は無し得なかったと思います。ホーマーたちの夢のような夢にきちんと向き合い支えてくれた彼女は素晴らしい教師だと思います。
父のジョンがスイッチを押すと物凄いスピードで天高く真っ直ぐに飛んでいくロケット、それをみんなが見上げていました。炭鉱以外には何もない町、その町の人たちの夢までへも乗せて飛んでいるようで、すごく綺麗なラストだったと思います。
- Comment(2)
- [ ヒューマン ドラマ映画 ] ヒューマン ドラマ
この映画、しばらく前に鑑賞しました。
とっても好きな映画です。
夢がありますよね。
暑い日が続きますががんばりましょう。
- 2014/08/03
- teiさん
こんばんは、teiさん。
コメントありがとうございます。
ほんとに夢が詰まっていて
その夢に向かって努力する姿などは素敵です。
そしてこれが実話というので
物語に重みが増してくるのだと思います。
ほんとに暑いです。
そして台風も加わって、荒れた天気になっていますよねっ。
暑さに負けずがんばりたいと思います。
ご訪問ありがとうございました(^^)
- 2014/08/05
- パッチさん
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