1. TOP
  2. [ 日本映画 ] 邦画
  3. 麒麟の翼 ~劇場版・新参者~

麒麟の翼 ~劇場版・新参者~

2013.02.14

「麒麟の翼」のポスター


 【 ストーリー・あらすじ 】

 TVドラマ「新参者」でも好評を博した原作者・東野圭吾による「加賀恭一郎シリーズ」の9作目「麒麟の翼」を、再び主演に阿部寛を迎えて映画化した感動ミステリー。ひとつの殺人事件の捜査を通じて、その意外な真相と事件の背後に潜む切なくも感動的な人間模様がひも解かれていくさまが丁寧な筆致で綴られていく。
 ある日、日本橋の翼のある麒麟像の下で男性の刺殺体が発見される。被害者である青柳武明(中井貴一)は死の直前、腹部を刺されながら誰に助けを求めることもなく、8分間も歩き続け、縁もゆかりもない日本橋までやって来るという不可解な行動をとっていた。一方、容疑者には、青柳のバッグを持って現場から逃走中に車に轢かれて意識不明に陥った若者・八島冬樹が浮上。恋人・中原香織(新垣結衣)が懸命に無実を訴えるも、事件は八島の犯行としてあっけなく解決するかに思われた。そんな中、日本橋署の刑事・加賀恭一郎(阿部寛)はコンビを組む松宮脩平(溝端淳平)とともに独自の捜査を進めていくが…。

 【 出演 】
阿部寛, 新垣結衣, 溝端淳平, 中井貴一

 【 監督 】
土井裕泰



 【 感想 】

 この映画「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」を皆さんは鑑賞されたことがありますか?東野圭吾の小説「麒麟の翼」の映画化作品です。テレビドラマ「新参者」の続編の物語となっており、同じく阿部寛さんが主演を務めていますので、ドラマを鑑賞された方はより楽しめると思います。

ドラマ「新参者」、そして映画「麒麟の翼」へ


 この映画「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」は前々から観てみたいと思っていた作品です。というのも、たまたまドラマ「新参者」を3話ぐらいあたりから観たのですが、すごく面白くて最終話まで観てしまいました。

 なので、その続編となる本作の世界観にもスムーズに入れましたので良かったです。あと東野圭吾さんの小説は好きなのですが、加賀恭一郎シリーズは1作も読んでいなかったので今後読んでみたいなぁと思いました。

 あと加賀恭一郎シリーズに「赤い指」というのがありますが、これは「麒麟の翼」との繋がりがあるみたいで、テレビでも映画公開前にドラマスペシャルとして放送されたみたいですので、そちらも観てみたいです。

登場人物の紹介


加賀恭一郎 阿部寛 加賀恭一郎 (阿部寛)
日本橋署の警部補。主に単独行動を好む。
人間観察眼に優れ、冷静沈着に事件の真相を追う。

松宮脩平 溝端淳平 松宮脩平 (溝端淳平)
加賀恭一郎の従弟で、警視庁捜査一課に所属している。
加賀恭一郎と共に今回の事件を追っている。

中原香織 新垣結衣 中原香織 (新垣結衣)
容疑者の八島と同棲している恋人。
八島と同じく養護施設で育ち、一緒に上京してきた。

青柳悠人 松坂桃李 青柳悠人 (松坂桃李)
事件の被害者である青柳武明の息子。
中学校時代に水泳部に所属していた。

青柳武明 中井貴一 青柳武明 (中井貴一)
日本橋事件の被害者。翼のある麒麟の像の前で息絶えた。
建築部品メーカー「カネセキ金属」の製造本部長だった。

八島冬樹 三浦貴大 八島冬樹 (三浦貴大)
中原香織と共に上京し、同棲している恋人。
日本橋の事件の容疑者だが、車にはねられ昏睡状態。



東京の日本橋で事件発生


 東京の日本橋で青柳武明という男性が殺害されました。青柳武明はナイフで胸を刺されながらも8分間も歩き続け、翼のある麒麟の像の前で倒れ尽きたのです。彼はなぜ8分間もの間、助けも求めず歩き続けたのか?そして彼が大事そうに手にしていた鶴の意味とは?

 その殺害された男性の青柳武明を中井貴一さんが演じています。このシーンは映画の予告などでよく観ていましたが、中井貴一さんの演技は見事ですねっ。死ぬ間際の青柳武明は色々な意味を感じさせる表情をしていましたので、すごく引き込まれました。

 中井貴一さんのインパクトのあるシーン。なぜ刺されたまま助けを求めず歩き続けたのか?タイトルにもなっている麒麟の像の意味とは?あの鶴の意味とは?などたくさんの謎を置いてくれてましたし、オープニングの掴みとしてはばっちりですねっ。

鶴を持つ男

容疑者の八島冬樹(三浦貴大)とその恋人の中原香織(新垣結衣)


 容疑者とされる八島冬樹は現場から逃亡する途中で車に轢かれてしまい、意識不明の重体となってしまう。その知らせを聞いた恋人の中原香織は悲しみに溢れ絶望していたが、追い打ちするかのように彼が殺人事件の容疑者だと聞かされる。彼の無実を訴える彼女だったが・・・。

 のちに八島は意識が戻ることなく亡くなってしまいますが、残された恋人の中原香織がすごくかわいそうでした。恋人を失った上に、その恋人が殺人の容疑者とされているわけですから、これ程のショックはありませんよねっ。

重症の彼氏に付き添う彼女

 殺人が起こった前日に、中原香織は彼にきちんと仕事を探すように責めました。もしあんなことを言っていなければ彼は死なずに済んだのかもしれない・・・。彼女が抱えるたくさんの悲しみと苦しみ、同時に彼を信じる気持ちの強さも丁寧に描かれていたので良かったです。

 その中原香織を新垣結衣さんが演じていましたが。彼女は中原香織のような都会に染まっておらず、初心で真面目な女性を演じるのにぴったりの女優さんですねっ。作品に華を添える存在でとても良かったです。

神社にいる女性

加賀恭一郎(阿部寛)と松宮脩平(溝端淳平)の名コンビ


 警察では日本橋事件の犯人は八島冬樹でほぼ固まっていましたが、この事件にはまだ真実が隠されているとばかりに独自の捜査を続ける刑事が、そうっそれが加賀恭一郎と松宮脩平のコンビです。

 独自の捜査といいましてもそれは加賀だけであって、上から2人で捜査するように言われている松宮は加賀に振り回されている感じなんですけどねっ。ただこの2人のやり取りは、作品の雰囲気を壊さないニヤリ程度のコメディ要素を入れてくれるので、これがまたいいんです。

 ただ松宮は加賀に振り回されているといっても、それは加賀の捜査力をきちんと松宮は認めていて、加賀の行動はきっと正しいと信じているからです。関係と立場が逆転してしまっていますが、松宮は加賀と一緒に行動することによって、より良い刑事へと成長していくだろうなぁと感じました。

 あと加賀恭一郎の魅力がすごく出ていましたねっ。彼には派手さはありませんが、妥協が全くなく、徹底的に歩いて歩いて歩き回って小さな手がかりを拾っていき、少しずつ真実に迫っていく姿はすごくかっこよかったです。

神社にやってきたコンビ

「新参者」と「赤い指」の登場人物


 「新参者」の舞台と同じ日本橋ということもあり、ドラマ「新参者」に出てきていた登場人物がちょっとだけですが出てきていたのは嬉しかったです。黒木メイサさん演じる記者の青山亜美が、加賀の捜査に協力していましたねっ。原作ではどうだったのでしょう?

友情出演の黒木メイサ

 あと記者だけでは食っていけないということで、青山亜美が務めていた喫茶店も青柳武明と接点があるということで出てきていましたし嬉しかったです。あと一瞬ですが向井理さんがポスターで登場していたのも良かったです。

 そして私は観ていないのですがドラマスペシャル「赤い指」から加賀のお父さん役の山崎努さん、看護婦役として田中麗奈さんが出ていました。個人的にこの辺りの繋がりや関係性の描写が少し弱く感じたのですが、「赤い指」を観てからだともっと楽しめたのでしょうねっ。

入院中の男の看護婦

水泳部


 青柳武明の生前の行動を追っていく内にどんどんと出てくる謎の目撃情報。と比例して怪しい雰囲気を漂わせる息子の青柳悠人。なんと青柳悠人が中学校の時に所属していた水泳部が関係していたんですねっ。

 この後半部分こそが日本橋事件の真相に迫るカギとなってくるのですが、この辺りから出来事と真実と情報が多すぎて、メッセージを読み取るのが難しくなっていると感じました。

被害者の息子

 悪い人は誰か?労災隠しの罪を亡くなった青柳武明に擦り付けた「カネセキ金属」の小竹由紀夫(鶴見辰吾)。水泳大会のリレーでミスをした吉永友之を意識の戻らない体にしてしまった3人の元水泳部員たち。その事件の真相を隠した水泳部の顧問の先生(劇団ひとり)。

 そして、もう一人が被害者の青柳武明です。彼は一見何も悪くないように思えますが、息子である青柳悠人の友達にナイフを持たすほど追いつめてしまいました。その責任を感じたからこそ、刺さったナイフの諮問を拭き取ったのです。

中井貴一

 青柳武明が息子の友達ではなく、直接息子に問いただせていれば殺人なんて起こらなかったわけです。それができなかったからこそ息子の友達を呼び出したんです。青柳武明は刺された瞬間、「父親失格だ」「自分はなんてバカなことをしたんだ!」というような後悔に包まれたはずです。

 そのような自己嫌悪を背負ったまま、8分間も歩き続け翼のある麒麟の像まで辿り着き、意識不明の吉永友之の回復、そして息子を含む3人の若者のこれからを願い鶴に託した。そこまで読み取ることにより、あのシーンがより深みを増すのだと思います。

 単純に息子の友達に罪を背負わしたくないという思いだけではなく、自分がしたことの愚かさを痛感したからこそ、ナイフの諮問を拭き取ったのです。「優しさ」と「責任」の違いだと思いますが、この違いはすごく大きいと思いました。

鶴を持つ手

スタート地点


 麒麟というのは本来翼を持っていません。では日本橋の麒麟には翼があるのか?それは日本橋が日本の道のスタート地点であり、日本中に飛び立っていけるという願いを込めて翼が付けられたのです。

 八島冬樹と中原香織が上京した際にトラックから降ろしてもらった場所が麒麟の像の前です。これからの自分たちの新たなスタートとして万歳をした場所なんですねっ。

万歳をする2人

 あと水泳部の事件の被害者である吉永友之のお母さんが作っていたブログのタイトルが「キリンノツバサ」。このタイトルには息子の回復を願うお母さんの気持ちが込められていました。

 そして、青柳武明が命を懸けて辿り着き、鶴を放ったのが麒麟の像でした。同じく吉永友之の回復を願い、そして息子を含めた3人のこれからを願った場所です。

 翼のある麒麟の像に込められたたくさんの願い。ほんとによくできたタイトルだなぁと思いました。

麒麟の像の前にいる加賀恭一郎

加賀恭一郎シリーズ


 加賀恭一郎ってほんとに不思議な魅力を持っていますねっ。「容疑者Xの献身(ガリレオ)」の湯川学(福山雅治)が人気があるのはわかります。かっこいいですし、独特でクセのある性格で、キャクラターとしてすごく魅力がありますもんねっ。そう考えると加賀恭一郎はキャラクターとして弱いです。

 ただ「事件によって心が傷つけられた人がいるなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手立てを探し出すのも、刑事の役目です」というセリフがあるように、事件の関係者みんなの傷を癒していくところが素敵なんだと思います。

 ドラマ「新参者」では、ほとんど事件に関係のないことを解決していってましたもんねっ。といっても、決して関係のないわけではないのですが、容疑者をどんどん消していって、消去法で事件の核に迫っていく流れだったと思います。

 事件に関係ないとわかった時点で次に行くわけではなく、家庭の小さなことでもきちんと解決していくところが素敵なんですねっ。事件に関わった人たちで加賀恭一郎のことを嫌いな人はいないように思えます。

 加賀恭一郎シリーズの小説を読んでみたいと思うのですが、やっぱり1作目から読んだ方がいいのかなっ?今で9作品・・・他の東野圭吾作品も読んでみたいしちょっと多いなぁと思いますが、ちょっとずつ読んでいけたらいいなぁと思います。

麒麟像の前にいる加賀

「東野圭吾」関連の記事

東野圭吾の小説・映画化作品・ドラマ化作品




【任意】

【任意】



管理者にだけ表示を許可する

「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」のトラックバックURL

http://makemyself.blog64.fc2.com/tb.php/671-f198a9ca