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ザ・プロデューサー

2011.12.15

「ザ・プロデューサー」のDVDジャケット


【 ストーリー・あらすじ 】

 映画学校を卒業したガイ(フランク・ウェイリー)は、映画会社重役バディ(ケビン・スペイシー)の下で働くことになった。だがバディはハリウッドでも有名なほどの自分勝手な男で、ガイは散々な目に合わされてしまう。彼の下で働くと成功できるという話を信じて、ガイは忍耐を続けたのだが……。

【 出演 】
ケヴィン・スペイシー、フランク・ウェイリー、ミシェル・フォーブス、ベニチオ・デル・トロ

【 監督 】
ジョージ・ホアン



 【 感想 】

 この映画「ザ・プロデューサー」を皆さんは鑑賞されたことがありますか?映画会社のプロデューサーと振り回される助手、そして映画業界の裏側をブラックに描いた作品です。なんといってもケビン・スペイシーの演技がすごいです。彼の演技だけでも観る価値ありだと思いますので、興味のある方は鑑賞してみてください。

現在と回想シーン


 映画会社の重役であるバディ(ケビン・スペイシー)と、その助手のガイ(フランク・ホエーリー)、ガイはバディによって会社をクビにされ、バディの家に行って拳銃で脅すシーンから始まります。

 しかし、ここでガイが映画会社に出社した初日からの回想シーンが入ります。そしてたまにバディを脅しているシーンに戻ったりします。それほど構成は難しくなっていませんが、時間軸の変化が苦手という方はその辺りを頭に入れておくと、すんなりストーリーに入っていけると思います。

銃を持つガイ

映画会社の暴君プロデューサー バディ(ケビン・スペイシー)


 映画会社の重役を務めるバディ、彼の下で働いた者はみんな成功しているということで、新人のガイは助手として働くのですが、バディは恐ろしいほどの暴君で、彼の命令は絶対なのです。むちゃくちゃな命令に振り回されるガイは、成功を夢見て耐え続けるのです。

 仕事をしていると嫌な上司に出会うことはあると思いますが、これほどまでに身勝手で思いやりのない上司はいないと思います。もし私が彼の下で働くことになれば・・・すぐに辞めてしまうでしょう。彼の顔色を24時間伺い続け、失敗は絶対に許されない状況にあるガイがとてもかわいそうに思いました。

バディとガイ

 あと、怖い上司といえば「プラダを着た悪魔」のミランダを浮かべましたが、無理難題というのは共通するものの、あんな生易しいものではないですねっ。ミランダからは戦っていかなければいけない業界の厳しさなどを感じましたが、本作のバディからは単にイヤな男という印象を受けました。

 それにしても暴君プロデューサーのバディを演じたケビン・スペイシーはほんとに演技が上手いです。体も見た目もそれほど凄みがあるわけではないのですが、彼の演技によって暴君のオーラがものすごく出ていたと思います。

電話をするバディ

バディの助手 ガイ(フランク・ホエーリー)


 個性の塊のようなバディに対し、助手のガイはまさに一般的な男性の代表といった感じで、仕事を器用にバリバリこなせるわけではないですが、かといって人材として使えないわけでもない、普通の男という印象を受けました。

 ガイは何度かミスをしてバディに怒られていましたねっ。ミスが許されないバディの下で働くことになれば、全ての仕事を集中して行なうとすると思いますが、人間だれでもミスはしてしまいますし、バディから降りかかるむちゃくちゃな要求と仕事の量を考えれば、ミスをしても当たり前なのかなぁとも思いました。

 ガイを演じたフランク・ホエーリーですが、調べてみたらたくさんの作品に出ていて、いくつか鑑賞したものもありましたが、全然覚えていないんですよねぇ。まだ鑑賞したことのない作品もありますので、鑑賞する際には探してみたいと思います。

電話をするガイ

女プロデューサーのドーン(ミシェル・フォーブス)


 バディの元に新作映画を売り込みに来た女性のドーン(ミシェル・フォーブス)ですが、バディにあっさりと却下されてしまうんですよねぇ。冷静に考えると、まぁこれに関しては仕方ないのかなっ?って思います。どんなに良い映画でもあっても、売上の見込めない作品はダメですもんねっ。

電話中のガイとドーン

 ただそれが単にバディの暴君ぶりに感じてしまうのがすごいところです。ラストを変更しろという要求は映画会社では当たり前のことなのかもしれませんが、バディが言うことによって無理難題に聞こえてしまう。これこそがバディの凄さなんでしょうねっ。

 ということで、売り込みにやって来たのがきっかけでドーンとガイは付き合い始めます。映画業界に勤めているというのもあって、2人の会話はもっぱら映画の話・・・そして、バディの話。居ないにも関わらず、バディの脅威と存在感が2人を征服していたのが凄かったです。

売り込みに来たドーン

復讐・・・拷問・・・


 拳銃でバディを脅し、拷問を繰り返すガイ。彼の気持ちもわかりますよねっ。散々バディの要求に応えてきて我慢してきたにも関わらず、電話に出るのが襲いという理由でクビにされたのですから。もうこれまで溜め込んできた怒りや憎しみをぶつけるように、バディに対して拷問を繰り返します。

 しかし、拷問を受けているバディを見ていて微妙な違和感がありました。たまに許しを請うものの黙って拷問を受け続ける時があるということです。それは今の状況に対しての諦めではなく、「何か」を感じました。その何かがラストへと繋がるわけですが、この微妙な違和感を感じさせるケビン・スペイシーの演技が見事だなぁと思います。

ガイがバディを拷問

ラストのどんでん返し (解釈と解説)


 ラストで色々と事実がわかるのですが、バディに拷問による復讐を行なっていたのは、単にクビにされたからではなかったのですねっ。オープニングでの電話には続きがあり、恋人であるドーンとバディの関係を知ってしまったからんですねっ。

 バディの家にドーンがやって来て口論になり、バディに銃口を向けるガイ。そして、銃声が響き渡る・・・。しかし、ガイが撃ったのはドーンだったんですねっ。これには驚きました。「何で!????」ってなりました。

銃を構えるガイ

 ガイは恋人よりも今の仕事とバディを取ったのです。仕事の為なら何でもする暴君バディを憎んでいましたが、どこかで彼を尊敬しており成功したいという野心があったんですねっ。おそらくそんなガイをバディは見抜いていたのでしょう。

 だからこそ、バディは拷問を受けていた時に受け入れる余裕といいますか、「殺しはしない」という確信があったのだと思います。それが拷問のシーンで感じた違和感だったんでしょうねっ。バディの下で1年間働いたことにより、ガイもまた暴君への道を歩んでいたということです。

椅子に座るバディ

 事件はドーンによって拷問を受けていたバディを救うために撃って殺したということで、正当防衛として処理されました。もちろんこれはバディによる計らいであって、バディが本当のことを警察に言えばガイは捕まるんです。しかし、それをバディはしなかった。それはなぜなんでしょう?

 おそらく、恋人を殺してまで自分の成功と野心を優先したガイを、自分の下に置いておきたかったのでしょう。結果ガイは昇進しました。バディのパートナーになったかはわかりませんが、バディはそのような男こそがパートナーの理想と考えていたのだと思います。

落書き

 冒頭で先輩の男(ベニチオ・デル・トロが演じていたのにはびっくり)が「バディの下で働いた人は、みんな成功している」と言っていましたが、まさにこのことだったんですねっ。拷問はさておき、ガイが暴君への道を歩みつつあり、自分ではなくドーンを撃つことをバディはわかっていたのです。

 「バディの下で働いた人は、みんな成功している」。おそらくガイはどんどんと出世していき、成功を掴むことになるでしょうねっ。そしてラストでのガイの口調からも、きっとガイも暴君へとなっていくのだと感じました。まさに暴君の誕生ですねっ。

 すっごく後味の悪い映画ですので、みんなにおすすめできる作品ではないかもしれませんが、個人的には好きです。人間というものをとてもうまく描かれており、構成も脚本も見事だなぁと感じました。それにやっぱりケビン・スペイシーの演技が見事ですねっ。

昇進したガイ

映画「ザ・プロデューサー」のDVD




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