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ハルフウェイ

2013.03.19

「ハルフウェイ」のDVDジャケット


 【 ストーリー・あらすじ 】

 高校3年生のヒロ(北乃きい)は思いを寄せていたシュウ(岡田将生)にある出来事をきっかけに告白されて付き合うことになる。ある日、シュウが遠く離れた東京の大学への進学を考えていると知ったヒロは、まだ決めたわけではないと優柔不断な態度を見せるシュウと大げんかに。シュウの夢を応援したい気持ちもあるヒロは、卒業を前にさまざまな思いをめぐらせ始める。

 【 出演 】
北乃きい, 岡田将生, 溝端淳平, 仲里依紗, 成宮寛貴

 【 監督 】
北川悦吏子



 【 感想 】

 この映画「ハルフウェイ」をみなさんは鑑賞されたことがありますか?「ロングバケーション」や「ビューティフルライフ」などの大ヒットドラマの脚本を務めた北川悦吏子の初監督作品です。本作はとっても好き嫌いがかなり分かれそうな作品ですので、おすすめというわけではありませんので、興味のある方は鑑賞してみてください。

好き嫌いが分かれる映画


 本作は男女2人の高校生の恋愛模様を描いた作品なのですが、このような設定の作品は他にもけっこうあります。しかし、本作の撮影方法がとても斬新で、ほとんどのシーンがアドリブで演技されています。設定や方向性、あと終着もシーンごとに用意されていますが、そこに至るまでの経緯を役者のアドリブに任せているんですねっ。

 まるでドキュメンタリーを観ているような感覚になるのですが、しかしこれは「映画」です。この物語がドキュメンタリーであるならば、ほんとに素晴らしいストーリーですが、フィクションの映画と考えれば安っぽく感じたり、逆に入り込めないという方がいると思います。その辺りで好き嫌いが分かれるような気がします。

 あと、本作はまだまだ人間として未完成な高校生のとても甘酸っぱい恋愛ストーリーなのですが、相手のことを考えずに自分の感情を抑えきれない姿が、なんというか「眩しすぎる」と感じる方もいると思います。もしかするとそれは大人になればなるほど感じるのかもしれません。

 2人の眩しすぎる甘酸っぱい恋愛模様に、いかに共感し理解できるかで本作を楽しめるかどうかが決まると思います。私は斬新で実験的な作品は好きですし、甘酸っぱい青春もとても良かったと思いますが、やはり好き嫌いの分かれる作品には違いないので、万人におすすめできる作品ではありません。

音楽を聴く2人

高校3年生のヒロ(北乃きい)


 高校3年正の女の子ヒロはずっと大好きだった男の子シュウに告白されて付き合うことになります。もうヒロにとってこれほど嬉しいことはありません。こうして2人の甘酸っぱい恋愛が始まります。

 ヒロを演じた北乃きい、ほんとに演技がうまいなぁと思いました。物語の軸はあるもの、ほとんどを演者のアドリブに任せた撮影方法に見事に応えていたと思います。頭の中は常にシュウのことでいっぱい、大好きで大好きで仕方ないんですねっ。それが彼女のすべてから伝わってきました。

 もうほんとに子供なんです。呆れるぐらい子供で、ちょっとしたことで喜怒哀楽がコロコロ入れ替わるところなどを観ると「付き合ったら疲れるだろうなぁ」と思わされます。しかし純粋で恋にストレートな彼女を一度受け入れてしまうとかわいく思えました。これも北乃きいの演技あってこそだと思います。

寄り目をしている北乃きい

シュウ(岡田将生)


 ヒロの恋人シュウを岡田将生が演じています。ヒロとは違って好きという気持ちを全面に出す感じではありませんでした。これは女性と男性の違いなんでしょうねっ。恋愛に夢中になることが恥ずかしいというか、周りの目が気になるといった「照れ」の部分がきちんと描かれていたと思います。

 ただかなり優柔不断なんですよねぇ。東京の大学を目指しているシュウはいつも勉強しているのですが、ヒロと離れ離れになるのがイヤで東京の大学への進学を諦めてしまうのですよねぇ。「いや、いや・・・・それは違うで」ととっても歯がゆい気持ちになりました。

寝そべる2人

葛藤


 「東京の大学に行ってほしくない」「離れ離れになりたくない」という想いからシュウが東京の大学を諦めたことを知ったヒロは大喜びです。「これからも一緒にいられる」ということですごく嬉しそうでした。しかし、ヒロの中で何か引っかかるものがあるんですよねぇ。

 「東京の大学への進学を諦めてほしい」と「東京の大学への進学を諦めないでほしい」という二つの想いの葛藤が生まれるのです。はっきり言って私にしたら答えは明らかです。しかし、この時期の男女にとって「恋愛」はほんとに大切なことなんです。

 もし高校3年生ではなく大学4回生であれば「行く」「行かない」ではなく、行くことを前提に行ったあとのことを考えると思います。おそらく価値観がまだ形となっていない時期なんでしょうねっ。「子供」と言ってしまえばお終いですが、「今」と「未来」に揺れ動く葛藤がうまく描かれていたと思います。

散歩している2人

友達と先生


 脇を固めるキャストもとても良かったです。シュウとヒロの友達役を演じた溝端淳平や仲里依紗ももちろんアドリブの演技でしたし、先生役の成宮寛貴や大沢たかおのアドリブも自然な感じで良かったです。個人的には大沢たかおがとてもいい味出していたなぁと思いました。

 ヒロが大沢たかおに相談しているシーンですが、「行ってほしくない」「行ってほしい」というモヤモヤな気持ちに対して、感情だけではなくきちんと頭で考えて向き合っていたように思えました。大沢たかおも頭ごなしに否定するのではなく、ヒロの視野を広げるようなアドバイスだったので良かったと思います。

「東京に行ってほしくないです」


 ラストシーンの涙目で笑みを浮かべながら「東京に行ってほしくないです」というヒロは良かったです。あの表情とセリフにいろいろな感情が込められていたと思います。北乃きいは演技がうまいなぁと改めて思いました。

 この作品はそれほど大したストーリーではないと思いますが、アドリブだからこそ良かったのだと思います。いろいろな感情が画面から溢れ出るぐらい伝わってくるので、観ている人がそれを受け止められるかどうかなんでしょうねっ。ラストの北乃きいは素晴らしかったと思います。

涙目の北乃きい

タイトルの意味


 この映画を観た方は「ハルフウェイ」のタイトルの意味がわかりましたよねっ。英語の「途中(halfway)」を劇中で北乃きいが「ハルフウェイ」と本気で間違えて読んでしまったことからタイトルが付けられています。

 ヒロもシュウもまだ人生の「途中」という意味が含まれていますし、「ハルフウェイ」という間違いによって「未熟」だったり「未完成」といった捉え方ができるのが、偶然にしろ良かったと思います。

受験勉強

映画「ハルフウェイ」のDVD・小説




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