最高の人生の見つけ方
【 ストーリー・あらすじ 】
勤勉実直な自動車整備工(モーガン・フリーマン)と、大金持ちの豪腕実業家(ジャック・ニコルソン)。出会うはずのない二人が、人生の最後に病院の一室で出会った。家族のために自分の夢を犠牲にして働いてきたカーター、そして、お金だけは腐るほどあるものの見舞い客は秘書だけというエドワード。お互いに人生の期限を言い渡されたという以外、共通点は何もない。
そんな二人を結びつけたのは、一枚のリスト。棺おけに入る前にやっておきたいことを書き出したリストだった。そうして始まった二人の生涯最後の冒険旅行。人生でやり残したことを叶えるために。棺おけに後悔を持ち込まないために。そして、最高の人生だったと心の底から微笑むために。
【 出演 】
ジャック・ニコルソン, モーガン・フリーマン, ショーン・ヘイズ, ロブ・モロー, ビバリー・トッド
【 監督 】
ロブ・ライナー
【 感想 】
この映画「最高の人生の見つけ方」をみなさんは鑑賞されたことがありますか?名優のジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの2人が贈るハートフル・ストーリーです。余命わずかの2人がこれまでやり残したことをするために旅に出る物語で、名優2人の哀愁が素晴らしく感動も詰まっています。興味のある方はぜひご覧下さい。
余命6ヶ月の2人の老人
自動車整備工として働く老人カーター、彼はとても知識豊富でたくさんの家族も出来てそれなりに幸せな人生を歩んできました。しかし、彼はガンに蝕まれてしまい余命6ヶ月の宣告を受けてしまうのです。そんな彼が同じく病室を共にした老人エドワードと出会うことにより、物語が始まります。
真面目で博識の老人カーターをモーガン・フリーマンが演じています。落ち着いた雰囲気が漂っており、何事も冷静に判断するところも、モーガン・フリーマンにぴったりの役ですねっ。彼がこれまでにどのような人生を歩んできたかというのも伝わってきました。
そして、実業家として成功を収めた大金持ちの老人エドワード、誰もが羨む生活を過ごしてきた彼でしたが余命6ヶ月の宣告を受けてしまうのです。同じく余命6ヶ月の宣告を受けたカーターと病室を共にしますが、カーターの性格とは正反対といった感じで何をするにも豪快で、カーターとの対比がとても面白かったです。
大金持ちの老人エドワードを名優ジャック・ニコルソンが演じています。やはりとっても演技がうまいですねぇ。エドワードの性格が手に取るように伝わってきました。とっても豪快で喜怒哀楽の激しい性格ですが、どこか繊細な部分を持っているところなどもほんとにうまく表現されていたと思います。彼の出演する作品を観るたびに、演技力の高さに気づかされる俳優さんです。
名俳優のモーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンの2人が主演ということで、これほど贅沢なキャストはありませんねっ。文句なしの演技力と存在感、この2人のやり取りも本作の見所だと思います。
「死ぬ前にやっておきたいリスト」
性格が正反対の2人ですが同じ病気と死への考えを共有することにより意気投合していきます。そこで作ったのが「死ぬ前にやっておきたいリスト」です。それぞれが残りわずかな人生の間にやっておきたいことを、一枚の紙にリストアップしていきます。そのリストに書かれたことを2人でやっていこうということなのです。
このリストで映画「死ぬまでにしたい10のこと」の中で出てきたリストを思い浮かべましたが、「死ぬまでにしたい10のこと」では本当にやっておきたいことを10個挙げていた一方、本作ではやりたいこと経験したいものなど思いついたものからどんどんと書き加えていたので、残りの人生を存分に楽しむといった前向きの姿勢が伝わってきました。
このリストの魅力は変更が利くということです。やり遂げた項目に関しては線で消し、やりたいことが増えればその都度追加し、変更したければ臨機応変にリストを変更する。そして、1人ではなく2人でリストを作って実行し、共有し合うというのも物語を面白くしていた部分だと思います。
人生を楽しむ旅に出かける2人
リストに書いたものを実行するために2人は病院を抜け出し旅に出かけます。お金ならエドワードがいっぱい持っているので、どこにでも行けますし何でもできてしまいます。残りわずかな2人の老人がほんとに楽しそうに過ごす旅はとっても魅力的でした。死ぬ前に海が見たいということで旅に出かける映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」に少し似ていますねっ。
リストに書いたこと、「刺青を入れる」「スカイダイビングをする」「マスタングを運転する」などを旅をしながらこなしていきます。スカイダイビングだったりレース場を借り切って2台のマスタングでレースするなど、ほんとに2人ともが楽しそうで、この時ばかりは病気のことを忘れていたように思えました。
あと遊ぶこと以外のリストも良かったです。エジプトでピラミッドに登ったり、アフリカの広大な大地を車で走ったり、中国の万里の長城をバイクで疾走、インドではタージマハルを訪れたりと、優雅な時間をゆっくりと過ごす二人と共に、素晴らしい景色や観光地の雰囲気を伝えてくれていました。
もちろんこれらはお金があってこそできることですが、とっても素敵な老後の楽しみ方だなぁと感じました。2人の場合は死を間近に感じたことにより旅に出ましたが、別にそうでなくても定年退職したあとに夫婦でリストを作ってこなしていくというのも素敵だなぁと感じました。
おそらくリストに書かなくても、頭の中でやりたいことというのはあると思います。しかし、それらをリストという形にすることによってそれらは目標に変わり、達成する喜びだったり新たにリストを増やす楽しさなどがより味わえるのではないかなぁと思いました。
きっと「きゅうりを育てる」みたいな小さなことでもいいんですねっ。2人で目標を作りそれを達成することによる喜びと楽しみを2人で共有するということがいいんだと思います。これによって人生がより楽しいものになるのでしょうねっ。無理だと思えばリストから削除したり書き換えたりと、自由が利くところもまた良いのだと思いました。
エドワードの秘書トミー
エドワードの秘書をやっているトミーもまた、本作でとても重要な役割を果たしていたと思います。エドワードの秘書ということで、エドワードの身の回りのことを世話したり支えたりするのはもちろん、エドワードとカーターの2人がリストをこなしていく旅を続けられたのもトミーがいたからだと思います。
あと性格もまたいいですねっ。エドワードに仕えている身でありながら物怖じせずに自分の考えを言ったり、たまに皮肉まじりのジョークを言ったりするところも良かったです。そしてエドワードとトミーのやり取りからも、2人の絆や関係がとても伝わってきました。
旅の終わり
カーターが妻や家族に会いたいということで、旅を中断し家に帰ることを選択します。しかし間もなく病状が悪化しカーターは入院、そして手術を行うがカーターは永遠の眠りについてしまうのです。虚無感といいますか、わかっていたことではありますがとっても辛かったです。
そしてカーターの葬式でエドワードの言葉はとても感動的でした。はっきりいって知り合ったばかりの二人でしたが、エドワードにとってカーターがどれほど大切な存在だったか、そして短かったが2人で過ごした時間がこれまでの人生においてどれほど価値のあるものだったかが伝わってきました。
最高の美女にキス
カーターに何年も会っていない娘に合うように勧められていましたが、断固として拒否していました。しかしエドワードはカーターの手紙を読んで会いに行くのです。その時のエドワードの表情はそれまでに見たことのない感じで、色々な感情が入り混じっている複雑な想いが見事に表現されていたと思います。
あとリストに書かれていた「最高の美女にキスをする」の項目、本来は下心があって書いたものだったでしょうけど、娘の娘、いわばエドワードの孫にあたる小さな女の子にキスをし、この項目を線で消したのはほんとに素敵だなぁと思いました。エドワードにとって彼女以上の最高の美女はいないですもんねっ。
エベレストからの絶景
時期が合わずエベレストに登ることを一度は断念した2人でしたが、エドワードの秘書であるトミーが叶えてくれましたねっ。同時にカーターは死んだのちに「ナッツ缶に遺灰を入れて景色のいい場所に埋葬して欲しい」という願いも叶いました。
二つのナッツ缶がエベレストに埋葬されているというのはほんとに素敵な話だなぁと思いました。ラストの終わり方もそうですが、エベレストの絶景も含めて綺麗なラストだったと思います。
- Comment(6)
- [ ヒューマン ドラマ映画 ] 医療 病気 障害
映画好きのるぃなと申します。
この映画、大好きです。
死が間近に迫っているのに、残りの人生を前向きに歩もうとする姿勢…。
本当にすごい!
もし私が死の宣告を受けても、こんなふうにはなれないと思います。
ずっと病室で絶望しているだけだろうなぁ…。
映画っていろいろと考えさせてくれるからいいですよね。
また遊びにきます☆
- 2011/09/25
- るぃなさん
やっぱりお金があることで出来ることに制限がなくなってしまうところは少し違和感というかしこりがありますが、
「きゅうりを育てる」でも、ほんと、良いのだと思います
最後の瞬間まで前向きになれることが素晴らしいのであって
彼らの楽しそうな姿は微笑ましかったですね
- 2011/09/25
- makiさん
はじめまして、るぃなさん。
コメントありがとうございます。
残りの人生の時間が、アバウトであったとしても
わかってしまうというのは辛いことですよねぇ。
簡単に受け入れることができないと思います。
ただ本作では2人とも
ある程度の人生を歩んできて
それなりに楽しんできた上での宣告だったので
気持ちを切り替えて
残りの人生を楽しむ方に転換できたのでしょうねっ。
ほんとに映画からいろいろなものを教わりますし
考えさせられる力を持っているのですごいなぁと思います。
はいっ、いつでもお待ちしております。
ご訪問ありがとうございました(^^)
- 2011/09/26
- パッチさん
こんばんは、makiさん。
コメントありがとうございます。
やっぱりお金って大切なんですねっ。
必要最小限あれば暮らすのに問題はないと思いますが
人生を楽しむという意味では
あることに越したことがないと思いました。
思っているだけで留めるのではなく
リストとして書き止め、共に実行して共感をし合えるが大切だと思いましたので
「きゅうりを育てる」のように小さなことでも
十分、人生を楽しめるのでしょうねっ。
ほんとに楽しんでいる二人は素敵でした。
このように1つのことを共感し合える人がいるということが
人生で一番大切なのかもしれませんねっ。
ご訪問ありがとうございました(^^)
- 2011/09/26
- パッチさん
時々、ブログを拝見させて頂き参考にさせていただいてます。
最高の…良い映画でした!
ちなみに、最近私の観た
映画で良かったなぁと
思う映画は、インド映画の「マイネーム・イズ・ハーン」
韓国映画の「義兄弟」です!
管理人さんは、鑑賞済みですか?
もし、機会があったら
是非(^O^)/
- 2011/09/26
- まきさん
はじめまして、まきさん。
コメントありがとうございます。
ブログに訪問していただいているようで
とても嬉しいです。
ありがとうございます。
「マイネーム・イズ・ハーン」と「義兄弟」が最近観た作品の中で良かったということですが
残念ながらどちらも鑑賞したことないですねぇ。
でも確か「義兄弟」はけっこう評判になっていたので
また機会がありましたら鑑賞してみたいと思います。
おすすめありがとうございました。
ご訪問ありがとうございました(^^)
- 2011/09/26
- パッチさん
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- 最高の人生の見つけ方
残された人生を前向きに描いている作品です。 個人的にリストの「世界一の美女にキスをする」が凄くよかったですねえ。 残りの人生を謳歌する彼らの姿に暗さはない。「自分の人生は喜びを得られるものだったか、他者に喜びを与えられたか」。難しく重いテーマが実に豊か...
- 【いやいやえん】
- 2011/09/25
名無しさん (02/01)
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