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スモーク

2010.04.06

映画「スモーク」


 【 ストーリー・あらすじ 】

 人気作家ポール・オースターが、自身の短編を脚色。監督は香港出身のウェイン・ワン。NYの下町ブルックリンを舞台にした群像ドラマ。本作の魅力は、ブルックリンの街に限りなくなじんでいる俳優たち。10年以上もの間、毎日、同じ場所にカメラを向けるタバコ屋の店主にハーヴェイ・カイテル。店の常連客で、店主の写真のなかに亡き妻の姿を見つける作家、ウィリアム・ハート。そこにもうひとり、作家を交通事故から助け、父親を探す黒人少年。映画が進むにつれ、3人それぞれの家族関係が浮き彫りにされていく。

 【 出演 】
ハーヴェイ・カイテル, ウィリアム・ハート, ストッカード・チャニング, フォレスト・ウィテカー

 【 監督 】
ウェイン・ワン



 【 感想 】

 この映画「スモーク」をみなさんは鑑賞されたことがありますか?ハーヴェイ・カイテルやウィリアム・ハート主演で贈るヒューマンドラマです。決して派手な映画ではないので、好みが分かれると思います。

 特別に盛り上がるというシーンはなく、いくつかのささやかなエピソードが描かれているだけかもしれません。ただ、個人的には何度でも観たいと思ってしまう作品になりましたし、家に一本置いておきたいと思いました。

 タイトルにもあるように愛煙家の方であれば、たばこを吸いながら鑑賞するのがおすすめです。そしてたばこを吸われないという方は、苦めのコーヒーと共に鑑賞されてはいかがでしょうか。

登場人物の紹介


ハーヴェイ・カイテル オーギー・レン (ハーヴェイ・カイテル)
ブルックリンのたばこ屋の店主。
毎日同じ時間に同じ場所の写真を撮り続けている。

ウィリアム・ハート ポール・ベンジャミン (ウィリアム・ハート)
オーギーの店の常連客の作家。
妻を数年前に亡くしている。

トーマス・コール トーマス・コール (ハロルド・ペリノー・Jr)
ポールが車に轢かれそうになったところを助けた少年。
ギャングに追われており、偽名を使っている。

サイラス・コール フォレスト・ウィテカー サイラス・コール (フォレスト・ウィテカー)
ガソリンスタンドを経営している。
数年前に事故を起こし、左手は義手。

ルビー・マクノート ルビー・マクノート (ストッカード・チャニング)
昔、オーギーと付き合っていた女性。
オーギーに助けを求めて、タバコ屋にやって来る。

オーギー(ハーフェイ・カイテル)の写真


 カーヴェイ・カイテル演じるオーギーは写真が趣味なんですが、毎日同じ時間に同じ場所の写真を撮っているんです。そしてその数は14年間で4000枚以上。その写真を見せられた作家のポールは流すように見るのですが、「ゆっくり見ることをおすすめするよ」とオーギーが言うんです。

 このシーンは物語の序盤にあるのですが、このやり取りだけでこの映画のおもしろさがわかる気がします。「あっ・・・この映画好き」って思ったシーンでした。

4000枚の写真

 はっきり言って同じ写真ばかりをじっくり見る意味があるのか?誰もが思う疑問だと思いますが、それは違うんです。同じ時間に同じ場所を撮った写真かもしれませんが、晴れの日があれば曇りの日もある。季節が違えば町を歩く人々の服装も変わります。そして、馴染みの顔があれば初めて見る顔・・・そうっ、4000枚それぞれ異なるんです。

 私は写真に興味があるというわけではありませんが、オーギーのアルバムを見てみたいと思いました。微妙ではあるが全て異なる写真、それを楽しめる人になりたいと思いました。もしいつかブルックリンに行くことがあったら、オーギーと同じ場所で写真を撮ってみたいです。

毎日の日課

サイラス(フォレスト・ウィテカー)と少年トーマス


 ガソリンスタンドを経営するサイラスの元にやってきた黒人の少年トーマス、この二人の物語は好きです。サイラスを演じたフォレスト・ウィテカーは大好きな俳優さんで、演技がうまいのはもちろんですが、彼の演技が大好きなんです。さり気なく表現するクセといいますか、彼の演技からは役の性格の細かなところまで伝わってくる気がします。

 ということで、フォレスト・ウィテカーが登場するシーンは大好きです。少年トーマスとのやり取りはとっても楽しめました。描いた絵を5ドルで売ると言うトーマス、なので「見せろ」というサイラスに対して、トーマスは「5ドル払うなら見せる」と言うのです。しかし絵を見るためだけに、5ドルで買わなければいけないというのはおかしな話です。しかし、トーマスは「見たらほしくなる」と・・・。
 こんな意味のない会話がなぜか興味をそそられるというか、噛み締める味わい深さがあると思います。

少年との出会い

 あとやはりトーマスが偽名を使っていたということがバレて、その後にある事実がわかるシーンです。このシーンも良かったですねぇ。サイラスが感情を爆発させるシーンですが、フォレスト・ウィテカーの「信じられない」そして「信じたくない」という感情が、うまく表現されていたと思います。

 その後、二人の関係はどうなったのか?答えはありませんが、この映画の雰囲気から良い方向に進展していったのではないでしょうか?これもまた鑑賞された方々それぞれの答えや解釈が正解なのだと思います。

真実

オーギー・レンのクリスマス・ストーリー


 ラストでオーギーが作家のポールに語るクリスマスストーリーはとっても素敵です。ニューヨークタイムズからクリスマスの話の執筆依頼があったが、なかなか書けずに困っていたポールに対して「とっておきの話がある。しかも実話だ。」と言って、オーギーがクリスマスストーリーを話し始めます。

 たばこを吸いながら話し出すオーギー、カメラワークも少なくハーベェイ・カイテルの魅力が出ているシーンだと思います。元々台本でセリフが決まっていたにしろ、おそらくアドリブも織り込まれていたのだと思います。しかし、彼の話し方や口調が全て自然で、すっかりクリスマスストーリーに入り込んでしまいました。

クリスマスストーリー

 オーギーのクリスマスストーリーを聞いたポールはその話が嘘だと思いました。しかし、嘘でも楽しければそれでいいという思いからか、「お婆ちゃんは最後にオーギーと過ごせて幸せだっただろうなぁ」とポールが言うのです。

 このポールのセリフとオーギーの笑み、二人の関係性がとても伝わってくるシーンでもありました。信じたフリをした方がいい時もあるのです。それはオーギーとお婆ちゃんの関係からもわかります。

「信じる者が一人でもいれば、その物語は真実に違いない」


  • たばこの煙の重さを計る方法の話。
  • 雪山で遭難してしまった男の物語。
  • 10年かかって書いた原稿とたばこの紙の話。
  • オーギーのクリスマスストーリー。

 この映画にはたくさんの嘘とたくさんの信じられないような物語が出てきます。嘘というのはわからなければ、その人にとっては真実なのです。そして、嘘だとわかっても信じれば真実になるのです。たくさんの信じられない物語があります、しかし信じることによってそれはとっても素晴らしい物語となるのだと思います。

 オーギーの娘はその後どうなったのか?サイラスとトーマスはその後どうなったのか?ポールがラストで言っていた「大切な人」とはあの本屋の女性なのか?これらすべては鑑賞された方々の解釈に委ねられており、それらの解釈が真実になるかどうかも鑑賞された方々に委ねられているのだと感じました。

 「スモーク」というタイトルにもあるように、煙のように漂い香る映画です。人生の一服として最高の映画だと思いました。

盲目のお婆ちゃん

映画「スモーク」のDVD

こんにちは!

スモーク…初めて聞く作品です。
でも人物紹介で興味がとてもわきました(^^)同じ時間に同じ場所を撮る。。。
そんな男性の話が気になります!!
大どんでん返しがある派手な映画はもちろん好きなのですが、こういう淡々とした映画もとても好きなので、是非今度見てみたいと思います(苦いコーヒーを飲みながら♪笑)

ありがとうございました!
  • 2010/04/06
  • だーくさん
パッチさん(^^)こんにちは!
いつもお世話になりましてありがとうございます。

パッチさんにもこの「スモ-ク」を鑑賞して頂けて良かったです~。とても嬉しく思います。(^^)

流石、パッチさんは各人物の写真まで丁寧に貼っていて、とても分かりやすい記事に仕上げておりますね!

こうした作風のヒュ-マンドラマは、パッチさんもきっとお好きだろうと思っていましたが、気に入って頂けたご様子で本当に良かったですよ~

それとやはりフォレスト・ウィッテカ-が良いですよね。
パッチさんもこの俳優さんをお好きだと以前、仰ってらしたのでやはりラシ-ドとサイラスのエピソ-ドは心に残ったと思います。

そして最後の「オ-ギ-のクリスマス・スト-リ-」はそれまで観てきたエピソ-ド、この映画で語られる嘘のような話の「まとめ」として、最後の締めとしてとっても良い映像でしたね。

まさに心に残る一本になりましたでしょうか?

パッチさんも普段、お忙しい方ですのでこの映画をゆったりと鑑賞して癒されて頂けましたならば、自分もとても幸福です。(^^)

今回もまたイベントに参加して下さり、このような素晴らしい記事を創って下さいまして本当に感謝致します。
また次回、よろしかったら是非、鑑賞だけでも結構ですので参加して下さいね!(^^)

いつも本当にありがとうございます。(^^)
  • 2010/04/06
  • ユウ太さん
 【だーくさんへ】

こんばんは、だーくさん。
コメントありがとうございます。

「スモーク」初めて鑑賞しましたがとっても楽しめました。
アクション映画みたいな派手なシーンこそありませんが
登場人物それぞれの人生に背負っているものや1つ1つのセリフを噛み締める味わい深さを楽しむ作品だと思います。
毎日同じ場所で同じ時間に写真を撮る話は私も好きで
なんというか癖になるシーンです。

はいっ、ぜひいつもより苦めのコーヒーで
この映画を味わっていただきたいです。
ご訪問ありがとうございました(^^)
  • 2010/04/06
  • パッチさん
 【ユウ太さんへ】

こんばんは、ユウ太さん。
コメントありがとうございます。

こちらこそいつもお世話になっています。
今回このような素晴らしい作品に出会えたのもユウ太さんのおかげです。
ありがとうございます。
そして、まさに私の大好きな感じの映画で
おそらくそのうち家に一本置かれることになると思います。

映画の楽しみ方の幅が広がったというか
このような映画を観たのは初めてだったので
ちょっとショックと驚きがありました。

そしてやっぱりサイラスはほんとに良かったです。
元々大好きな俳優さんで、彼の演じる役はすべて好きです。
そして、サイラスとラシードとのやり取りはほんとに感動しました。

ラストのモノクロの映像
あれは少し身震いがしたというか
ものすごい力を持っているシーンだと感じました。

はいっ、ものすごく心に残りました。
こちらこそこのような映画に出会えてよかったです。
はいっ、またお誘いいただいた際には
できるだけ鑑賞させていただきたいと思います。

こちらこそ今回もありがとうございました。
ご訪問ありがとうございました(^^)
  • 2010/04/06
  • パッチさん
こんにちは、パッチさん☆

私は以前「チャイナタウン」の時にお世話になった「映画鑑賞の記録」の管理人です。
昨年大晦日からハンドルネームを変えて、今はmiri(みり)と申します。
今回のこの記事も記録の記事にリンクさせて頂いて宜しいでしょうか?(URLの記事です)

>・・・これらすべては鑑賞された方々の解釈に委ねられており、それらの解釈が真実になるかどうかも鑑賞された方々に委ねられているのだと感じました。

これほど何もかも中途半端に終わらせている(最後まで見ていませんが多分そうだと思います)映画も珍しいですが、全く腹が立たず、かえってその方が良いと心から思える作品ですね!

>「スモーク」というタイトルにもあるように、煙のように漂い香る映画です。人生の一服として最高の映画だと思いました。

素敵なひとことですね“人生の一服”煙草を吸わない私などでも、深く味わえる映画でした。

では、ご了解を頂いてからアップさせて頂きます☆
  • 2010/04/10
  • miriさん
 【miriさんへ】

こんばんは、miriさん。
コメントありがとうございます。

以前はこちらこそお世話になりました。
改名されてmiriさんになられたのですねっ。
記録記事にリンクを追加していただけるのはとっても光栄です。
よろしくお願いします。

ほんとにたくさんの部分で、観ている人の解釈に委ねていますが
それでも映画から伝わってくる雰囲気で、ある程度の答えが出るようになっていますので
疑問のままで終わらないところがいいと思います。

ほんとにたばこのような一服する感じを味わえる映画だと思います。
ぜひ多くの人たちに鑑賞していただきたいです。
はいっ、リンクの件よろしくお願いします。
ご訪問ありがとうございました(^^)
  • 2010/04/10
  • パッチさん



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