プレッジ
2007.12.02

J・ニコルソンが執拗な元刑事を演じたクライムサスペンス。少女の惨殺死体が発見され、知的障害者が逮捕されたが彼は自殺。事件は解決したかに見えたが、老刑事は別に真犯人がいると感じ…。
俳優ショーン・ペンの監督第3作目。『クロッシング・ガード』に続いてショーン・ペンとタッグを組んだジャック・ニコルソンの迫真の演技にも注目。同傾向のアル・パチーノ主演作『インソムニア』と比較しながら観てみるのも面白いだろう。ショーン・ペンの才能に引かれてか、通好みの名優たちが多数出演しているのも個性派ファンにはたまらない魅力のひとつである。
【 出演 】
ジャック・ニコルソン, ベニチオ・デル・トロ, ロビン・ライト・ペン, サム・シェパード, ミッキー・ローク
【 監督 】
ショーン・ペン
【 感想 】
この映画「プレッジ」をみなさんは観たことがありますか?監督は俳優であるショーン・ペンが務めていて、監督としては第3作目の作品です。そして主演はベテラン俳優であるジャック・ニコルソンで、すばらしい演技を魅せてくれます。ネタバレになるのであまり言えないのが残念なんですが、この映画のジャンルは・・・ミステリー・サスペンス・・・かなっ。とても内容が深く難しい作品なので、深くて難しい映画が好きという方におすすめです。
監督ショーン・ペン、主演ジャック・ニコルソン、そして豪華な共演者たち
この「プレッジ」に出てくる俳優たちは本当に豪華です。まずはやはり主演のジャック・ニコルソンですよねっ。そして、ベニチオ・デル・トロ、ミッキー・ローク、サム・シェパード・・・、ほんとに豪華な俳優たちが揃っているんです。しかもほとんどが出演シーンが短いのが贅沢な感じです。これも監督であるショーン・ペンの力なのかもしれませんねっ。
ベニチオ・デル・トロは始めの方に出演しているんですが、観ている時に「これ・・・もしかしてデル・トロ!?」となかなか気づかなかったぐらいすばらしい演技をしていました。



元刑事 ジェリー(ジャック・ニコルソン)
主演のジャック・ニコルソンはまもなく定年を迎えるベテラン刑事ジェリーを演じています。ジャック・ニコルソンはまさにベテラン刑事を演じるに相応しいベテラン俳優ですよねっ。すばらしい演技を魅せてくれます。監督が名俳優ショーン・ペンということだけあって、演技にはこだわりがあると思いますが、このジャック・ニコルソンはショーン・ペンの期待以上の演技を魅せてくれているかもしれませんねっ。この映画の良さというものはジャック・ニコルソンの演技が左右していたと思います。この元刑事のジェリーという役は本当に難しい役なんです。見終わったあとショーン・ペンがジャック・ニコルソンを選んだ理由がわかった気がしました。
少女レイプ殺人事件の真相・・・ (予備知識程度のネタバレ)
ジェリー(ジャック・ニコルソン)はその日で刑事を引退し、趣味である釣りをしながらの隠居生活が待っていたのです。しかし、引退まで残り数時間という時に、ある少女がレイプされた後に惨殺されたと見られる死体が発見されたのです。その殺人事件の捜査に取り掛かったジェリーですが、犯人が捕まりすぐさま事件は解決。しかし、何かが引っかかるジェリーは定年後にも関わらず真相を追い続けることにしたのです・・・。


この映画をまだ観ていない人へ
この映画「プレッジ」はとても深く難しい作品です。そして余韻を楽しむ作品です。難しい映画が苦手という方は、おそらくこの映画を観ても「おもしろくなかった」と思うでしょう。しかし、深く重く難しい作品が好きという方にはおすすめです。
いろいろ調べてみると観る人によって解釈が変わっているみたいです。しかし、物語中で与えてくれるヒントが絶妙で、ある程度の答えに行き着くのがまた魅力です。余韻を存分に楽しめる作品です。
いろいろ調べてみると観る人によって解釈が変わっているみたいです。しかし、物語中で与えてくれるヒントが絶妙で、ある程度の答えに行き着くのがまた魅力です。余韻を存分に楽しめる作品です。
ネタバレ&解説&私の考え
一体この少女レイプ殺人事件の真犯人とは・・・?
ジャック・ニコルソン演じるジェリーは真犯人を定年後であるにも関わらず追い求めていきます。そして犯人の目星を付けるのです。それがヤマアラシのチョコレートを少女クリッシーにプレゼントし、クリッシーが魔法使いと呼び、ヤマアラシの飾りを付けた黒い車に乗り、ラストで事故を起こして黒こげに焼け死んだオリバーという男です。
神父であり、道路整備の仕事をしていた男とは・・・?
かわいいクリッシーに近づく神父であり道路整備の仕事をしている男がいましたよねっ。彼は真犯人ではないと思いますが、とても怪しかったですよねっ。簡単にいうとクリッシーに近づく背の高い男は全員怪しいんです。そして、私たち以上にジェリーは怪しむんです。なので、本当の犯人とこの怪しい男がごっちゃごちゃになって、わからなくなった人もいると思います。
タイトル「プレッジ」の意味とは・・・?
Pledge「約束、誓い」。この映画タイトルの意味からわかるように、この物語はジェリーが殺された少女の母親との「約束」と十字架への「誓い」から始まりました。定年を迎えるにも関わらず約束と誓いをしてしまったんですねっ。なので、この映画は「約束と誓いを守るために定年してまでも真犯人を探す元刑事ジェリーの物語」です・・・と言いたいところですが、そんな綺麗なものではないですねっ。
ジェリーは引退してまで真犯人を追っていましたが、それは約束を守るためというよりかは、約束をし誓いを立てたことにより「約束・誓いを守らなければならない」という呪縛から逃れられなくなったのです。
ジェリーは狂っていたのか・・・?
おそらく狂ってしまっていたのでしょうねっ。精神分析医のところでも話していましたが、あの時のカメラワークがジェリーの症状を表していたと思います。なので他の刑事たちの「ジェリーはおかしくなった」という考えは間違っていなかったのです。しかし、完璧には狂っていなかったと思います。おそらく職業病程度だったんでしょう。完全に狂ってしまったのは、ラストで犯人を捕まえられず、ロリとクリッシーに愛想を尽かされてしまってからでしょうねっ。その結果酒に走り、より症状が悪化したのだと思います。ジュリーの推理は・・・?
先ほどジェリーは呪縛から逃れられなくなっていた、そして狂っていたと言いました。しかし、彼の推理はほぼ当たっていたのです。彼は真犯人がいると推理し、過去の事件から繋がりを見つけ、クリッシーを狙っていた男が真犯人だと結びつけた・・・この数々の推理はほぼ100%当たっていたんですねっ。まさに腕利きの元刑事の経験と推理力があってこそだと思います。
しかし、真犯人は事故で死んでしまいました・・・。ジュリーの推理は当たっていたのに、みんなはそのことを知ることがもうできないのです。永遠に「ジェリー=ただ狂っている男」という誤解のままなのです。
狂っていると誤解されていたジェリー・・・そしていつしか完全に狂った
- 推理は当たっていたが、定年を迎えたにも関わらず解決したと思われる事件の再捜査を行っていたことが、他の刑事たちから「狂っている、おかしい」と思わせてしまった。
- クリッシーを囮にしたことにより、真犯人を捕まえるチャンスを得た。しかし、囮がクリッシーということでジェリーを襲った心配&不安が、客観的に見ている他の刑事たちとは違った行動を取らせた。そのことがより「ジェリーはおかしくなった」と思わせた。
- 囮としてクリッシーを使ったことにより、ロリの信頼を失ったどころか「ジェリーは狂っている」と思われジェリーの元から去っていった。
- ジェリーの推理を決定付けること、つまり「真犯人の逮捕」によって誤解を解くことができるが、真犯人は死に、永遠に真実が葬られた。
- ロリとクリッシーが去り、酒に溺れ、その結果職業病程度だった症状が悪化し、完全に狂ってしまった。
この映画の見所とは・・・?
この映画「プレッジ」はミステリー作品なのかもしれません。しかし、決して犯人当ての映画ではないんです。犯人の顔や名前などどうでもいいんです。ただジェリーの推理が当たっていたということがわかればいいんだと思います。
ならばこの映画の見所とは何か?それはジェリーがどのようにおかしくなってしまったのかというのを楽しむ作品なのです。狂っていておかしなジェリーのオープニングのシーン、どのようにしてそのオープニングのようなジェリーに変わっていってしまったのか・・・?そのところを楽しむ作品なんです。
一見、犯人当てを楽しむ映画かのようにミステリアスな雰囲気を漂わせることにより、観客を推理をしていくジェリー目線にさせ、ジェリーを正当化させる。そんな正当化されたジェリーがラストでボロボロに崩れ落ちる。正しいはずのジェリーが、泥沼に落ちていってしまう。そんな完全なる不条理を楽しむ作品なのです。とても奥が深い作品だと思います。これもまさにジャック・ニコルソンの名演技だからこそ成し得る作品なんでしょうねっ。
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