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フルメタル・ジャケット

09.24

映画「フルメタル・ジャケット」


 【 ストーリー ・ あらすじ 】

 巨匠キューブリック監督がベトナム戦争に鋭いメスを入れた、衝撃の問題作である。
 アメリカ南カロライナの海兵隊新兵訓練所に入隊したジョーカー、カウボーイ、パイルら若者たち。彼らは鬼教官ハートマンのもとで、毎日地獄のような猛訓練に耐えるが、卒業前夜にパイルが教官をライフルで撃ち殺し、自殺するという事件が起こった。数か月後、ジョーカーは戦地ベトナムでカウボーイと再会、共に戦うべく最前線へ向かうが・・・。
 殺りくマシンとして家畜のような猛訓練を受ける新兵を描いた前半と、彼らがベトナムで実際に体験する修羅場のような戦場を描いた後半の2部構成で、戦争と、それによって人間性を失っていく兵士たちの狂気を冷徹な視点で追う。すべての戦場シーンをロンドンのセットで撮影し、ジャングルがまったく登場しない出色のベトナム映画。

 【 出演者 】
マシュー・モディーン, リー・アーメイ, ビンセント・ドノフリオ

 【 監督 】
スタンリー・キューブリック



 【 感想 】

 この映画「 フルメタル・ジャケット 」をみなさんは観ましたか?ベトナム戦争を題材とした作品で、グスタフ・ハスフォードの小説「ショート・タイマーズ」が原作で、監督は「2001年宇宙の旅」や「時計じかけのオレンジ」などのスタンリー・キューブリックです。ちなみにタイトルである「フルメタル・ジャケット」とは「真鍮で覆った軍用の通常弾」という意味です。

 この映画は前半部分と後半部分に分けることができます。前半部分で「海兵隊の訓練キャンプ」、後半部分では「戦場」が舞台になります。前半部分でいろいろ感じ、後半部分でいろいろ考えさせられる、そんな作品です。

海兵隊の訓練キャンプ (前半)


 まず前半部分である「海兵隊の訓練キャンプ」。海兵隊へ志願した者たちは戦場に赴く前に鬼軍曹の下で厳しい訓練を受けなければなりません。黒人・白人・ユダヤ人だからといって差別されません。ただ差別されることなく全員が「ノミ以下」の存在として扱われるんです。ほんとに恐ろしい訓練です。訓練が恐ろしいというか軍曹が恐ろしいんでしょうねっ。私ならきっと1日と持たないと思います。

鬼軍曹

 軍曹はそれほど暴力な行為で訓練&教育をしてはいないんですけど、言葉による暴力がほんとにひどいんです。なんといっても訓練生はみんなノミ以下の扱いなので、ほんとにひどい言葉をマシンガンのように浴びせてきます。肉体が崩壊するというよりも、精神が崩壊していまうでしょうねっ。

 軍曹による叱責、集団責任の懲罰、そして訓練生による集団リンチ…その結果、人格が崩壊してしまう者が…。これはかなり衝撃的でした。太った体のレナードが夜中トイレで銃を組み立て、最後には自殺してしまうんです。もう表情もかなり怖かったですし、そのような行動を起こしてしまうほど人格が崩壊していたんだなぁと考えると恐ろしかったです。

軍隊の厳しいトレーニング人格の崩壊

 ただ人格が崩壊したのはレナード1人だけではありません。レナードに対してリンチを行った訓練生みんなの人格が崩壊していたと思います。もっといえば軍曹もまた崩壊していたのだと思います。人格の崩壊の連鎖といいますか、人は置かれる環境にすごく左右される生き物で、環境が人を形成するというのが前半からすごく伝わってきました。

トイレでの銃組み立て

戦場 (後半)


 そして後半部分である「戦場」。厳しい鬼軍曹による訓練を終えた者たちは戦場へと行くことになります。戦争映画はたくさんありますが、この映画では戦場での悪い部分、醜い部分でしか構成されていません。戦争映画といえば残酷なシーンや恐ろしいシーンがありますが、その中に感動などがあるからこそ楽しめるんですけど、この映画の戦場の中にはそんなキレイな部分がなく、むしろ改めて前半部分の続きということを認識させられる内容となっています。

戦場に出陣戦争の恐ろしさ

 ▼ ユウ太さんのコメントより引用 ▼

訓練のシ-ンでは何が怖いって普通の若者が殺人者としてただ「殺す」と言う事をたたき込まれるのですね。常に「殺す時の顔をしろ!」と徹底的に体に染み込ませ「兵士」ではなく「殺人者」として作り上げられる過程が恐ろしいと思いました。 その結果、「ほほえみ〇〇」と呼ばれた一兵士が自我を無くしていってしまったのですね。

二部目として後半は普段と違うジャングルではなく「市街戦」。通常、森林などで戦うより市街での戦いの方が怖いと言われますね。身を隠す場所は沢山あるのですが敵もまた見えず何処から撃たれるのか分からないからです。(ブラック・ホ-ク・ダウンでもその様に描かれています。)そのような市街戦の恐怖を狙撃の形で存分に発揮していましたね。セオリ-で狙撃した相手はすぐに仕留めず、助けに来た兵士も一緒に仕留める所が怖かったです。

キュ-ブリック作品らしく他のベトナム戦争とは一味違った視点で切り裂いた戦争の怖さを描いた作品だと思います。

 鬼軍曹の下で厳しい訓練を受け、立派な兵士として戦場に向かったが環境としては同じなんです。鬼軍曹の下でノミ以下として扱われていましたが、戦場もまた人を狂わせる場所なんですねっ。まさにこの映画では「人格の崩壊」がテーマとなっています。

街での戦い

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こんばんわ この映画記事を読んで思い出しました。
軍隊に順応出来ない兵士がライフル銃を組み立てたりしながら、その銃を手放せなくなってしまって・・・強烈な印象が残りました。
やはり訓練の部分が良かったのかなと思い出してます。
戦闘シーンは狙撃兵を捕らえて盛れば・・・でしたよね。
キューブリックの作品はどれも深い意味が有りそうです。
(^^;)
  • 2006/12/04
  • ワトソンさん
 【ワトソンさんへ】

こんばんは、ワトソンさん♪
思い出しましたか?けっこう昔の作品ですもんねっ♪

デブと言われていた男が、ライフルの腕は認められてましたねっ♪
そして銃を手放せなくなって、前半のラストで…♪
後半もよかったですよねっ♪
手こずった相手である1人の狙撃兵を捕らえたら…♪

ほんとにキューブリック作品は奥が深いです♪
映画を観たあとにいろいろ考えてしまう作品ばっかりです(^^)

  • 2006/12/04
  • パッチさん
いつもどうもです~
当時第二次ベトナム戦争ブ-ム?という形で「プラト-ン」、「ハンバ-ガ-・ヒル」に続いて封切りされた作品でしたね~
ちなみに当時はベトナム物は全部劇場で鑑賞しました。

この作品はパッチさんがおっしゃるとおり、上記の二作品とは異なる作品でした。

訓練のシ-ンでは何が怖いって普通の若者が殺人者としてただ「殺す」と言う事をたたき込まれるのですね。
常に「殺す時の顔をしろ!」と徹底的に体に染み込ませ「兵士」ではなく「殺人者」として作り上げられる過程が恐ろしいと思いました。 その結果、「ほほえみ〇〇」と呼ばれた一兵士が自我を無くしていってしまったのですね。

二部目として後半は普段と違うジャングルではなく「市街戦」。
通常、森林などで戦うより市街での戦いの方が怖いと言われますね。
身を隠す場所は沢山あるのですが敵もまた見えず何処から撃たれるのか分からないからです。(ブラック・ホ-ク・ダウンでもその様に描かれています。)
そのような市街戦の恐怖を狙撃の形で存分に発揮していましたね。
セオリ-で狙撃した相手はすぐに仕留めず、助けに来た兵士も一緒に仕留める所が怖かったです。

キュ-ブリック作品らしく他のベトナム戦争とは一味違った視点で切り裂いた戦争の怖さを描いた作品だと思います。
(^^)
  • 2006/12/05
  • ユウ太さん
 【ユウ太さんへ】

いつもコメントありがとうございます♪
ユウ太さんは本当に詳しいですよねぇ♪
ベトナム物は劇場で鑑賞するぐらい好きなんですねっ♪

訓練のシーンはほんとに怖いです♪
何が怖いって「殺人者」を作っているんですもんねっ♪
その結果、精神が崩壊してしまう者が出てきてラストは…♪

なるほど♪「市街戦」はほんとに難しい戦いなんですねっ♪
隠れる場所がたくさんありますもんねっ♪
それだけ危険がいっぱいですし、姿が見えない敵ほど怖いものはないですもんねっ♪
その怖さが出ていたのが、最後の狙撃なんですねっ♪
ベトナム人の女性がお金+銃と引き換えに体を売ってましたけど、それがあるからこそラストはほんとに怖かったです♪

ほんとに毎回ユウ太さんの知識と映画の詳しさには尊敬してます♪
今回も引用さしていただきたいんです(>_<)
いつもありがとうございます(^^)

  • 2006/12/06
  • パッチさん
またまた、こんばんはです!

かなり古い作品ですよね?
確か友人がビデオ借りてきて見始めたのですが、すぐに寝てしまって、題名以外全く覚えておりません^^;

なんかプラトーンとは違い、本当の戦争の恐ろしさを打ち出した作品みたいですね。

ユウ太さんのコメントにある
>常に「殺す時の顔をしろ!」と徹底的に体に染み込ませ「兵士」ではなく「殺人者」として作り上げられる過程

これ、確かに恐ろしいですね。
やるかやられるかの戦争においては、人としての感情はマイナス要素になるのは分からなくもないですが....
「殺人者を作り上げる」、この時の上官達の本当の心情を知りたいです。いったいどんな気持ちなんでしょうね。

ブラック・ホ-ク・ダウンもすごかったのですが、この作品はある意味超えているのですかね?

かなり衝撃作品みたいですけど、是非観てみようと思います。
その後に愛しのローズマリー、フィフスエレメントって順番で(^-^)
  • 2006/12/06
  • らいさん
 【らいさんへ】

またまたこんばんは、らいさんっ♪
いっぱいコメントありがとうございます♪

けっこう古い作品ですねぇ♪
あららっ♪寝ちゃったんですねぇ♪
んじゃ、今度はがんばって寝ずに観てくださいっ♪
これは個人的に好きな映画です♪
私は覚えてないんですけど、この映画が公開されたとき、王道の戦争映画とは違うとか何かで話題になったらしいですよっ♪
「プラトーン」は残念ながらまだ観てないんです…(>_<)
この前借りようと探したんですけど、見つけれませんでしたっ(>_<)
今度は時間をかけて探してみますねっ♪

ほんとに怖いですよっ♪
殺人者を作るための教育をしているようなものです♪
私なら確実に脱走してしまいそうなくらい耐えられない訓練です♪

「殺人者を作りあげる」うえでの上官の気持ちは、どうなんでしょうねっ♪
戦場に向かう上でそこまでしないといけないぐらい必要なんですかねぇ?

ぜひ観てみてくださいっ♪
戦争映画、恋愛コメディ、SFアクションと楽しんでくださいっ(^^)
  • 2006/12/07
  • パッチさん
どうもです~
遅くなりましたがまたまた引用して頂きまして恐縮です。
自分は全然構いませんのでこちらこそ宜しくです。

たしかにまだ未見の方は戦争の恐怖と狂気を感じる作品だと思いますので、そのまた違ったリアルな過程と戦場を観て頂きたいですね。
(^^)
  • 2006/12/07
  • ユウ太さん
 【ユウ太さんへ】

いつも引用さしていただき、映画紹介のお手伝いしてもらって感謝してます♪
ありがとうございます♪

戦争の恐怖と狂気、確かに感じますよねっ♪
しかもリアルに♪
こういう映画を観ると、昔に生まれてなくてよかったなぁって思いますし、戦争というものが起こらない世の中になってほしいと願っちゃいますねっ♪

まだ観てない人にはぜひ観てほしいですねっ(^^)
  • 2006/12/07
  • パッチさん
傑作です。
観てない人は観た方がいいけど、でも多分そうすると拒否される。
戦争が齎すものを考える上で重要な映画だから、学校関係で見せた方がいいのかもね。
特にエグイ場面も出てこないし。考えさせる為には有効な方法かと。
  • 2007/11/24
  • 哲人27号さん
 【哲人27号さんへ】

こんばんは、哲人27号さん。
コメントありがとうございます。

この映画は、ほんとに戦争映画の中でも傑作ですよねっ。
戦争というものがどういうものなのか、思い知らされる作品だと思います。
観終わったあとに考えさせられる作品なので、戦争に対しての意識も変わるかもしれませんねっ。
できるだけ多くの人に観てほしい作品ですねっ(^^)
  • 2007/11/24
  • パッチさん
ベトコンは悪魔だと叩き込まれ殺人マシーンに鍛え上げられる兵士たち

最後、悪魔だと叩き込まれたベトコンの正体が分かるわけですが…

なぜ戦争をするのか、こんなバカげたことをなぜやるのか、という気持ちでいっぱいになりました

ここまで空しさにまみれた作品はなかなかないですね

傑作です
  • 2010/09/16
  • H氏さん
 【H氏さんへ】

はじめまして、H氏さん。
コメントありがとうございます。

戦争の意味というものは、いつも考えさせらるのですが
本作のラストを観ると
なおさら戦争の空しさというものを感じますよねっ。

傑作と仰られるのも納得です。
素晴らしい作品だと思います。

ご訪問ありがとうございました(^^)
  • 2010/09/16
  • パッチさん



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